記憶と記録

雑記、詩、遺書

テイクフリー人生

風化していく。

悲しみか、痛みか、後悔か、疑念か、怒りか、懐かしさか、温かさか、愛おしさか。

 

分からなかった感情に色が宿っていく。

 

爆発の後に小さな破片がそこかしこに散りばめられている。

ひとつ、ひとつ、手にしては涙し、手にしては涙し、大切なおもちゃを盗られた子どものように、大の大人が世間体を気にせず泣き喚いている。

 

世間体なんて気にしなくていい。

 

 

爆発。服は燃え、髪は焦げ、身体中が赤黒く焼けた。

あの瞬間の、あの時の感情。

最悪だと思っていたものの、それよりも下に更なる最悪があったこと。

 

 

大丈夫。

風化する。風化する。全てが薄れていく。

生きることの美しさを感じていたい。

寿命を全うすることの素晴らしさを伝えたい。

そして、生死を選ぶ権利を主張したい。

 

大丈夫。大丈夫だから、耐えて。

数週間、数ヶ月、数年。

まいにち、まいにち日を数えて。

いちにち、ふつか、みっか、よっか。

時間と共に、確実に、少しずつ、眼ではわからないミリ単位で、少しずつ、良い方向へ進んでいく。

信じるしかない。

 

愛したい記憶だけを掌の中で温めていて。