真理
自転車で田舎道を走っているとき、
電車の窓から生活を覗くとき、
疑いながら本を読むとき、
やさしかった人の言葉を反芻するとき、
この世の真理に到達しそうになる。
宇宙を包んでしまうほど大きくて、温かくて、オレンジ色と灰色と水色と黒色が混ざり合った、優しく、この世でいちばん恐ろしいもの
神を信じる人もこのような感覚なのだろうか
真理に到達する一歩手前で、わたしは毎度涙が溢れる ただひたすらに泣きながら、どこへ続くか分からない一本の道を見据えている ああ、これだったのかと 心がひとつに集約され からだまでどこかへ行ってしまいそうになる
この世の真理はそれぞれの心のなかに